物語讃歌

物語について語ります。 Twitter:@monogatarisanka

詩 「今は昔」

 今は昔

 

今は昔 山に鬼あり
人食いて 日暮し
野山に駆けて 歌よめり
曰く
「花土より出で 土に帰す
何ぞ人の異ならむや」
とて
さて時の中将 これを聞きて
供を連れ山に分け入り
鬼の首を討ち取りたり
鬼の問うて曰く
「花土より出で 土に帰す
何ぞ鬼の異ならむや」
とて
中将返して曰く
「否」
鬼の首塚は後に道祖神になりしとぞ

詩 「疲れて眠る事への讃歌」

疲れて眠る事への讃歌

 

心荒みて眠る日の

人に幸あれ魂は

それが弱さの故なれば

永久に苦しむことを得ず

そが魂の懊悩は

Egoの虚ろな影ぞかし

光り輝くそのEgoの

光届かぬ夜の夢

白く焼かれた魂は

夜のMeadowに身を伏せて

疲れて眠る魂は

それが弱さの故なれば

永久に苦しむことを得ず

心荒みて眠る日の

人に幸あれ魂は

そが魂の懊悩は

Egoの虚ろな影ぞかし

物語について考えたことを書いていきたい。

物語が好きだ。

あらゆる形態のメディアの物語が好きだ。

小説、詩、映画、音楽、アニメ、漫画、演劇、浄瑠璃、歌舞伎、

物語というものを中心としたメディアであればそれでもう好きなのだ。

 

だが、まずはブログの初めに物語そのものの定義を試みたいと思う。

ブログ開設時にどのような物語観を持っていたかというものを記録し、

後々の参照になればと思っての事である。

まず、物語(Story)と物語り(Story Telling)の区別をつけておきたい。

まずは「物語り」から定義したい

 

物語り…娯楽を目的としたひとつながりの情報を提示する行為

Story Telling - An act of providing a string of informations for entertainment.

 

この定義を使用する理由は物語はあらゆる形態のメディアで表現されうるが故に、ある作品の中から「物語り」としての要素を取り出し、分析することが容易ではないからである。この定義を念頭に置けば、例えば、小説とアニメを「どのような情報が受け手に提供されたのか」を中心として同等に扱い議論することが可能になる。次に「物語」であるがこちらは

 

物語…娯楽を目的とした明確な終わりと始まりを持ったひとつながりの情報

Story - a string of informations for entertainment with clear opening and end.

 

このように定義したい、これによって物語のアイデアや老女の長話などを物語の定義から外すことができる。この定義を使用すれば、老女の長話は物語から排除されるが老女の語る民話などは排除されない。

まずはこの定義を念頭に、物語に関する様々なトピックについて語ってゆきたいと思う。また、何も書くことがないときは気に入った文章を丸写ししてスクラップブックの様に記録しておくのに使おうと思っている。何よりも、たくさん書くことに慣れ、書くことが生きることの一部になるように自分を仕向ける事が自分も物語を作りたいと思っている人間には肝要だと考えている。

ブログのタイトルは、ジョーオーウェルルポルタージュ、「カタロニア讃歌」からとらせてもらった。含蓄に満ちたイタリア人義勇兵の描写から始まる素晴らしいルポだ、ぜひともご一読願いたい。