物語讃歌

物語について語ります。 Twitter:@monogatarisanka

詩 和歌 作品集

【五・七・五】

黄昏に

鳴くは烏の

親か子か

 

電線に

賽の目切りに

される空

 

花持ちて

駆け出す稚児の

行く先は

 

【五・七・五・七・七】

図書館の

白き花咲く

此の春も

その名も知らず

また過ぎにけり

 

路地裏に

一片舞うは

桜花

振り向き見れば

花あるめやも

 

学問の

狭き門より

通らんと

乗り込む列車

門より狭し

 

猪口に映ゆ

弓張月の幽玄を

分かつ友なき

濡れ縁と私

 

口すぼめ

落書きすなる

嬰児の

雀の雛の

如き愛しさ

 

ヤミ米

買わぬが人の

命なるか

堕ち得ぬ人の

業の悲しさ

 

朝顔

蕾の早く

咲かまほし

そぞろ歩くは

蟻の子らなり

【注】

特に季語などの制約については考えずに作っているので悪しからず