2018-01-10 詩「月光」 月光 月の光が息を詰め 花が聞き耳立てし夜 とある一人の密偵が まさに殺されなむとする さらば世界よ 今思わば 全ての時が懐かしい むかし都で花買いし あの花売りは今何処ぞ さらば世界よ 今思わば 今朝の旭の美しさ それを二度とは見れぬとは 今朝の私は知らなんだ さらば世界よ今思わば 幼き頃に良く聞きし あの歌声の主は誰そ 銃声ひとつ あとは闇 月の光は 息を吐き 花は無心に揺れている 月の光は 息を吸い 花は無心に揺れている